【生理痛の原因は?】看護師 × 施術家の観点からみる“月経”及び“生理痛”

身体の見立て

“月経”および“生理痛”

この記事では“生理痛とは何か”を、
看護師 × 施術家としての観点で見ていきます。
なぜ生理痛が起きるのか
膝が原因で生理痛が悪化する?」
などのテーマを中心に、“意外と曖昧だった生理痛”を掘り下げていきます。

ミライルカ

何がどうなって生理痛を感じるのか…?(:]ミ(:]彡(:]ミ(:] 彡

そもそも月経(生理)とは

女性の身体は、初潮を迎えてから赤ちゃんが出来てもいいように準備をするようになります
具体的には卵巣から卵子を排出したり(排卵)、子宮の内側を覆っている子宮内膜が厚くなるなど(受精卵のベッドの役割を果たす)。
そして卵子が受精せず妊娠が成立しなかった場合、必要なくなった子宮内膜が剥がれて体外に排出されます
これが約1ヶ月のペースで繰り返し行われるのが月経(生理)の基本的な仕組みです。

ミライルカ

妊娠の準備のためのサイクル(:]ミ(:]彡(:]ミ(:] 彡

このサイクルを1ヶ月周期で繰り返すのですが、これを以下の4つの期に分けることができます。

卵胞期

卵子のもととなる原子卵胞が成熟
子宮内膜が増殖

排卵期

排卵が起こる(成熟卵胞から卵子が放出)

黄体期

子宮内膜がさらに厚くなる

月経期

月経が起こる(子宮内膜が剥がれ落ち、血液と共に排出される)

ミライルカ

排卵が起こったり、子宮内膜の増殖と排出を、1ヶ月ごとに繰り返すんだなぁ…

ここからはさらに各期を詳しく見てみましょう。

卵胞期

卵子のもととなる原子卵胞が成熟
子宮内膜が増殖

①脳

視床下部からGn-RH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)が分泌され、その刺激により下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)が分泌される。

②卵巣

FSH(卵胞刺激ホルモン)の作用により卵巣内の原始卵胞が発育、成熟卵胞になる
成熟卵胞が、卵胞ホルモン(エストロゲン)を分泌。

③子宮

卵胞ホルモン(エストロゲン)の作用で、子宮内膜が増殖する。

排卵期

排卵が起こる(成熟卵胞から卵子が放出)

④脳〜卵巣

卵胞ホルモンの分泌がピークに達し、それに伴い下垂体からのFSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌量が低下
一方で下垂体からLH(黄体形成ホルモン)が分泌される。

⑤子宮

成熟卵胞は、最も成熟した一つを除きそれ以上成熟しなくなる。
LH(黄体形成ホルモン)が成熟卵胞を刺激し、卵子が飛び出す(排卵)

卵巣から飛び出した卵子は、卵管に取り込まれる。
(ここで精子と出会い、受精すれば、受精卵となって子宮へ。
受精卵が子宮内膜に着床した時点で妊娠が成立)

黄体期

子宮内膜がさらに厚くなる

⑥卵巣

卵子が飛び出した後、卵胞は黄体という組織に変化し、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌

⑦子宮

黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用で、受精卵が着床しやすくなるよう子宮内膜が厚くなる

月経期

月経が起こる(子宮内膜が剥がれ落ち、血液と共に排出される)

⑧卵巣

受精卵が子宮内膜に着床すれば妊娠成立。
妊娠しなかった場合は、黄体は約2週間でしぼんで白体に変化、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が急激に減少

⑨子宮

子宮内膜の血管に変化が起こり、血液の供給をストップ
子宮内膜の一部が壊死し、剥がれ落ちて血液とともに体外に排出される(月経)

ミライルカ

生理のメカニズムはなんとなくわかったけど、なんで生理痛は起こるの?

なぜ生理痛は起こる?

生理痛は、体外に経血を押し出すために子宮が収縮することで起こります

ミライルカ

マヨネーズをぎゅっと握って押し出している感じに近い

そしてこの時、子宮を収縮させる働きをしているのがプロスタグランジンという物質。
このプロスタグランジンが必要以上に分泌されると、子宮が強く収縮し、痛みも強くなります。

プロスタグランジンとは

プロスタグランジンはホルモンに似た働きをする生理活性物質です。
子宮を収縮させたり、血管を収縮し子宮への血流を減少させたり、子宮内の神経を痛みに敏感にさせる作用があります。

また、血管収縮により腰痛やだるさ、冷えが生じます。陣痛の原因もこのプロスタグランジンだったんですね。
また胃腸の動きにも影響を与え、吐き気や下痢の原因にもなっています。

ミライルカ

生理痛は、生理の始まる前日から生理2日目、3日目に起こりやすいです(:]ミ(:]彡(:]ミ(:] 彡

施術家の観点から考える

ケース①

【症状】生理痛
【原因】右膝

例えば上記のように
生理痛
が生じており、
そして走査により

右膝の結合組織の収縮・硬化
を確認した場合のケース。

まず身体の仕組みとして、衝撃を受けた部位の結合組織は収縮し固まり硬くなります。
ケース①の場合、なんらかの要因により衝撃を受けた右膝の結合組織が収縮し固まっているということです。

ここで重要なのは、右膝が収縮し固まるということはその分右足側が縮むという点。
これにより右足側が短くなり、結果として身体全体が右側に落ちる形で傾き、左右のバランスを崩します。

しかし人間は、左右の目線を地面と平行に保つよう姿勢を調整する特性を持ちます。
平衡感覚をしっかりと保つため、出来る限り目線を水平な状態にしたいのです。
ケース①の場合は右足側が縮んだ結果、右目が下に下がり、左目が上に上がり水平な状態ではなくなりました。
目線が水平でなくなった場合に身体はどうするのかというと、バランスの崩れた目線をもう一度地面と水平になるように働こうとするのです。
しかし右膝の結合組織は収縮し固まっており、ここを調整することは難しい状態。
ではどうするのかというと、骨盤を左へ持ち上げるように傾けることで、左右の目線を平行に保とうとします

しかし骨盤を傾けるように持ち上げるということは、骨盤周囲の組織に本来とは異なる負荷をかけることになります
そして骨盤周囲にかかった負荷は、骨盤自体にも返ってきて負荷となってしまいます

骨盤にかかった負荷により組織が硬化
これによりいつも通りの収縮ができず、しかしそれでも収縮をしなければならないため無理をしてしまい、結果痛みが生じてしまうのです。

また、骨盤の組織が硬く収縮し、圧力が生じることで血行不良が起きる可能性もあります。
血行不良により組織が冷えて硬くなると、
これも子宮が収縮しづらくなる原因となります。

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