看護師 × 施術家の観点からみる疼痛
この記事では“痛み(疼痛)とは何か”を、 看護師 × 施術家としての観点で見ていきます。
「なぜ痛みが起きるのか」
「背骨のずれが胸の痛みを生む…!?」 などのテーマを中心に、“意外と曖昧だった痛み”を掘り下げていきます。
何がどうなって痛みを感じるのか…?(:]ミ(:]彡(:]ミ(:] 彡
そもそも“痛み”は人体に必要?
痛みなんて無い方が良いのでは?
誰もが一度は考えたことがあるかと思います。
こんな不快で苦しい感覚、無くなってしまった方が良いように感じてしまいますよね。
さて、では仮に“痛み”が無かった場合、私たちの身体にどんな影響をあらわれるでしょうか。
もし“痛み”が無かったら
例えば私が怪我や病気に見舞われたとします。
本来であれば、痛みが生じることで怪我や病気の存在に気づき、病院に行く、安静にするなどして対応するところですが、
痛みがない場合はどうでしょう。
転んだり包丁で指を切ったなど、原因が明確であったり目視がしやすい場合ならまだしも、
体内の異常はまず気づくことが出来なくなるでしょう。
痛みが生じているからこそ私たちは「体を動かさない方がいいな」「薬を飲んだ方がいいかも」と対応が出来ますが、
一方で痛みが存在しない場合、身体のダメージや異常に気づくきっかけを失い、普段通りの生活をしてしまうことになります。
発見が遅れたことで病気の進行は進み、
休息・回避を行わず普段通りの生活をすることで更に身体への負荷は増してしまう恐れがある…ということです。
進行した後、痛み以外の症状が現れて初めて自分の身体の異常に気づく…
そういえば、“痛み”って、何がどうなると生まれるんだろう?
怪我をしてなくても痛むときがあるし…
痛みの種類
・神経がダメージを負う痛み(神経障害性疼痛)
・心の問題による痛み(心因性疼痛=中枢神経障害性疼痛)
“痛み“が発生するのは、痛みの伝達経路である「痛みの受容器 – 神経伝導路 – 中枢」のどこかに刺激が加わるためです。
この経路のどこかが刺激を受けることで、その刺激が中枢に伝えられ、私たちは痛みとして感じているのです。
そして刺激を受ける部位によって侵害受容性疼痛・神経障害性疼痛・心因性疼痛(中枢神経障害性疼痛)に分けられるということになります。
“受容器”とは、刺激を感受する組織や器官のことを指すよ
例えば指にトゲが刺さり、痛みが生じたケース。
これは皮膚に痛みを感じる受容器(侵害受容器)があり、トゲによる刺激が知覚神経を通じて脳に伝わることで、痛みとして認識するわけです。
さてここからは、施術家の観点で“痛み”についてみていきます。
施術家の観点から考える
ケース①
【原因】背骨のずれ(※左側に)
例えば上記のように
①胸の痛みが生じており、
そして走査により
②背骨のずれを確認した場合のケース。
まず身体の仕組みとして、衝撃を受けた部位の結合組織は収縮し固まり硬くなります。
ケース①の場合、なんらかの要因により衝撃を受けた背部の結合組織が、左側にずれる形で収縮し固まっているということです。
ここで重要なのは、背骨の組織が左側に変形し固まるということは、背骨の周辺に存在する肋骨もそれに応じて歪むという点。
背骨が左に歪むため、左側の肋骨は圧縮するように丸まり、右側の肋骨は拡張するように変形します。
これにより変形した肋骨周囲の組織に負荷がかかり、胸の痛みに繋がる、ということになります。
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